2003年に登場してから、2021年にシグナスグリファスに引き継ぐまでの、18年間もの長い間、原付2種スポーツスクーター界を牽引し続けたシグナスXの歴史を紹介です。
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『1型 SE12J 2003年〜』
2000年代の初頭のバイク界隈の価値観だと原付2種なんてオッサンの乗り物だと言われてまして、若者向けに2種スクーターなんて何処も販売して無い状況で、シグナスXは発表されました。そうなった背景には年々厳しくなる排ガス規制によりハイパワーな2ストローク50ccエンジンは消滅していく方向に時代が進んでいて、その流れで完全にスポーツスクーターの系譜が途絶える前に、125cc4ストロークエンジンに進化して次世代のスポーツスクーターの形の提案として登場したのがシグナスXってわけです。
スタイリング
最大の特徴は、ヘッドライトがハンドルではなくカウルに付いている事で、当時としては斬新なデザインでした。そして若者向けに作ったと主張するようなリアスポ装備です(笑)全体的なシルエットは初期型って事で洗練された感はなく、ハンドル周りの頭デッカチ感がありますが、それ以外は無駄な装飾もなく引き算ができててシャープな印象ですね。デザイン思想は、R32スカイラインを連想しますね。
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『2型 SE44J 2007年〜』
2007年モデルは、ガス規制によりFI化されました。全体的の大型化されて、1型の様なシャープなハンドリングは無くなりましたが、それでもクラス最高のコーナリングスクーターではありました。
強力なフロントブレーキ
ディスクローターが大型化されてブレーキが強力になりました。過剰な程の制動性能で、メタルパッドを入れた日には普段使いだとブレーキが効きすぎて、ガンッ!!って止まって扱い難いので、敢えて摩耗係数の低いレジンパッドに変える人が多くいました。
ヘッドライトが明るくなった
見た目に巨大化したヘッドライトは、中央にメインのライトと両サイドにも強力なポジションランプを装備していて、歴代シグナスXの中でも最高の光量です。もちろん2007年なのでハロゲンバルブなのですが、出力が高いので、これらのバルブを社外品のLEDに変えると自動車並みに明るくなったりします。
細かい話ですが、2型の後期モデルでは、タンデムステップが格納式に変更された。個人的には、格納式じゃない方がレーシングなライディングポジションが取れて良いと思うので改悪である。
『3型 SE12J 2013年〜』
3型シグナスは、再びコーナリングマシンに戻り1型シグナスの完成度をより高めた感じの仕上がりになってます。その性能は現在でも125ccスクーター最速と言われてまして、スクーターファンの間では最後のピュアスポーツスクーターとか言われてます。
スクーターレースでは、1型か3型のシグナスが上位を独占している状態で、パワーこそ最新の水冷エンジンモデルと比べると劣りますが、3型モデルは、空冷エンジンの車体の軽さとコーナリングに振ったフレーム設計により、レースでの速さは、3型の方が高いです。