エンジンオイルは、主成分となる「基油」と、さまざまな性能を持たせる添加剤を組み合わせて作られています。その基油は、API(米国石油協会)の基準によってグループⅠ〜Ⅴに分類されています。
グループⅠ〜Ⅳまでは、一般的に数字が大きくなるほど精製度や粘度安定性、低温流動性、耐熱性、酸化安定性などが向上し、基油としての性能も高くなる傾向があります。
グループⅤのみ1~4以外の基油をまとめた分類なのでグループⅤだからグループⅣより高性能とは限りません(´-ω-`)
『グループⅠ (溶剤精製鉱物油)』

原油を溶剤によって精製した、もっとも古い分類の基油です。グループⅡやⅢと比べると精製度が低く、硫黄分や不飽和成分が比較的多いため、耐熱性や酸化安定性では劣ります。
現在のバイク用エンジンオイルでは主基油として使われることは少なく、工業用潤滑油や一部の汎用オイルなどに使用されています。
不純物の量:多い
飽和分:90%未満※
硫黄分:0.03%超※
粘度指数:80以上120未満
粘度安定性:低い
低温流動性:低い
耐熱性・酸化安定性:低い
極性(金属表面への吸着性):中程度
コスト:安い
主な用途:工業用潤滑油、一部の汎用オイル
※飽和分90%未満、または硫黄分0.03%超のどちらか一方に該当すれば、グループⅠに分類されます。
『グループⅡ 高度精製鉱物油』

鉱物油を水素化精製し、硫黄分や不飽和成分などを大幅に減らした基油です。グループⅠより精製度が高く、酸化安定性と価格のバランスに優れています。
現代の高出力・高回転エンジンでは、酸化安定性やせん断による粘度低下、摩耗、堆積物への対策など、エンジンオイルに高い性能が求められます。そのため、オイルへの要求が高いバイクでは、グループⅡを主基油とする鉱物油は避けた方が無難でしょう。
不純物の量:少ない
飽和分:90%以上
硫黄分:0.03%以下
粘度指数:80以上120未満
粘度安定性:中程度
低温流動性:中程度
耐熱性・酸化安定性:良好
極性(金属表面への吸着性):低い
コスト:比較的安い
主な用途:自動車・バイク用エンジンオイル、工業用潤滑油
『グループⅢ (VHVI/水素化分解生成油)』

鉱物油を高度に水素化分解・水素化精製し、硫黄分や不飽和成分などを大幅に取り除いた高性能基油です。グループⅡより粘度指数が高く、温度変化による粘度の変化が小さいほか、酸化安定性や耐熱性にも優れています。
原料は鉱物油ですが、高度に精製されているため性能が高く、現在では多くの純正オイルや市販のエンジンオイルに使われています。PAOより安価で、性能と価格のバランスに優れているのが特徴です。
不純物の量:非常に少ない
飽和分:90%以上
硫黄分:0.03%以下
粘度指数:120以上
粘度安定性:高い
低温流動性:良好
耐熱性・酸化安定性:高い
極性(金属表面への吸着性):低い
コスト:中程度
主な用途:純正オイル、市販の全合成油・部分合成油

レッドバロンのリザーブシステムのオイルは、公表はされてませんが、VHVIと言われてます。基本的にツーリング用途や街乗りレベルだと、これ以上はオーバースペックである事は間違いないので、コストパフォーマンスを考えると、消費者にとっても企業にとっても良い判断だと筆者は思います。

『モービル1とカストロールの裁判』
VHVIは鉱物油を精製したオイルなので、技術的には『合成油』ではないですが、通常の鉱物油より高性能と言う理由で合成油と名乗っても良しとされた歴史があります。
『グループⅣ (PAO/ポリアルファオレフィン)』

グループⅠ〜Ⅲのように原油を精製して作るのではなく、αオレフィンを化学合成して作られる基油です。分子構造が比較的均一で、低温流動性、粘度安定性、耐熱性、酸化安定性に優れています。
高温でも劣化しにくく、蒸発によるオイル消費も抑えやすいため、サーキット走行や高出力エンジンなど、オイルに大きな負荷がかかる用途に適しています。また、低温時にも流動性を保ちやすく、幅広い温度域で安定した性能を発揮できるのがPAOの強みです。
ただし、PAOを使用しているだけで、エンジンオイルの性能や交換寿命が決まるわけではありません。実際の性能は、PAOの配合量や粘度、添加剤、ほかの基油との組み合わせによって決まります。
不純物の量:ほぼゼロ
飽和分:APIによる一律の数値規定なし
硫黄分:APIによる一律の数値規定なし
粘度指数:APIによる一律の数値規定なし
粘度安定性:非常に高い
低温流動性:非常に高い
耐熱性・酸化安定性:非常に高い
極性(金属表面への吸着性):低い
コスト:高い
主な用途:高性能エンジンオイル、レーシングオイル、ギヤオイル
PAOの弱点
PAOは極性が低く、添加剤を溶かす能力やシール材との適合性では弱点があります。PAO単体では、一部のシール材を収縮させる可能性があるため、実際のエンジンオイルではエステルやアルキルナフタレンなどを配合し、添加剤の溶解性やシール適合性を補うのが一般的です。
また、PAOだけで摩耗防止性能が決まるわけではありません。金属同士が接触しやすい境界潤滑領域での性能は、摩耗防止剤や極圧添加剤、極性を持つ基油などを含めた配合設計に大きく左右されます。
『グループⅤ (エステル・その他特殊基油)』

APIでは、グループⅠ〜Ⅳのいずれにも該当しない基油を、すべてグループⅤに分類しています。そのため、グループⅤという分類自体が、性能の高さを示しているわけではありません。
そうは言ったものの、市販されている超高性能エンジンオイルでは、グループⅤに分類されるエステル系基油が使われていることがほとんどなので「グループⅤ=高性能」という一般的なイメージも、完全に外れているわけではありません。

ちなみに極論を言えば、料理に使うサラダ油もエステルなので、APIの分類上はグループⅤですww
もちろん、エンジンに入れていいという話ではないぞ(´-ω-`)

『エステルオイルの種類・解説日記』
最高性能と言われるエステルオイルにも、松竹梅的な差があったりします。解説日記では、エステルオイルの種類とデメリットの話なんかをするよ。これで君もエンジンオイルマニアさ(´-ω-`)
『筆者情報』

名前:スコ太
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仕事:よくいる会社員
住所:大阪(枚方市)
バイク趣味は、ツーリングからスクーターレースまで、幅広く楽しんでます。なのでスポーツ走行から、快適装備やツーリングスポットの話までできます。なんなら通勤もバイクなので、バイクに乗らない日はありません(笑)。SNS(X)もしてるので、是非フォローやコメントをよろしくお願いします。

名前:あずみ
年齢:そいつは言えないなぁ
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趣味:グルメ旅行
堅実で普通な日々を大切にしつつ、時々取材に出かけて記事も執筆。
アイデア相談やリライトで協力しています。
少し陰キャで人見知りの内弁慶ですが( `・∀・´)ノヨロシク。


