圧側減衰について リアサスペンション🛵

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『サスペンション調整、目次に戻る』

スポーツ性の高いサスペンションに装備されている、圧側減衰というのは何のためにあるのでしょうか?サスペンションの歴史では、圧側減衰は80年代にオフロードモデル用のとくに激しい衝撃が加わったときのために開発されたのが最初で、サスペンションが開発されてすぐ実用化された伸び側減衰に較べ、最近になって開発されたものです。もともとサスペンションの圧縮側の動きは、スプリングにある反発力でほとんど作動を抑えていて、基本的に必要とされてこなかった。それがなぜ必要になってきたかというと、サスペンションが吸収できるエネルギーをより大きな荷重まで対応させようとしただけでなく、さらに追求されたのが路面追従性という性能と言われています。

圧側ダンパー オフロード ジャンプ

コーナリングなど、タイヤのグリップと同じくらい重要なのが路面追従性という性能。路面の凹凸も、突き上げる凸方向の動きだけでなく、凹んだ側へ追従する伸びる動きで、スリップしにくいか否かが決まります。つまりタイヤが路面から離れてしまうとスリップするが、路面に接したまま離れなければグリップし続けるからです。そしてこの路面追従性を高めるには、反発力の小さい柔軟な特性のスプリングと良いとされてます。しかし柔らかいスプリングだと勢いよく荷重が乗るとサスペンションが底つきしてしまったり、前後のピッチングが激しくなり過ぎて安定感にかけるなどの不都合が出ます。そこで減衰をかけてやり急激な衝撃を和らげる事により、過度なストローク量を減らしそれらの問題を解決しています。

圧側減衰調整の主な目的

このように路面を掴んで放さないサスペンションほど、硬いスプリングではなく柔らかいスプリングで、減衰力を発生するダンパーも硬く抑え込むのではなく、柔軟に速やかに抑え込む特性が必要になってきます。速いコーナリングなど、サスペンションもダンパーも硬いほうが優位と思いわれがちですが、実際にはまるで逆という事実はあまり知られていません。

 

 

オンロードバイクの圧側減衰調整の主な目的

圧側減衰調整の主な目的

さてオフロードバイクの為に発明された圧側ダンパーですが、オンロードバイクでも使われるようになりました。前述した通り圧側減衰は、トラクションの安定感を上げるのが目的で、イメージが難しいかも知れませんが、圧側ダンパーがゼロのリアサスペンションは、バネが沈みだしてから荷重と釣り合う迄の時間は、タイヤにトラクションがほとんどかかっていません(まったくののゼロじゃないですが)。イメージは、難しかもですがショックを吸収している瞬間ってのは、バネが力を受け流してタイヤにかかる荷重を逃がしてる状態です。そこで減衰力を加える事により沈み始めから抵抗力がでてバンク初期からタイヤを地面に押し付ける事ができるようになり、倒し込みが安定する様になります。圧側の減衰力が程よく決まったサスペンションは、ライダーに豊かな接地感(安心感)を感じさせてくれるので、自信を持って車体を傾けれるようになります。

注意点は、圧減衰を強くかけすぎると、オイルロックがおき路面のギャップを吸収できなくなりタイヤが跳ねるようになります。乗り心地も悪くなります。

 

 

 

ストリートのセッティング

リアサス 圧側ダンパー ストリート セッティング

先に伸び側減衰のセッティングを決めてから圧側減衰のセッティングを始めます。常識的な走り方をしてる限り圧側ダンパーは最弱でも問題はでません。実際にメーカー純正リアサスの圧側ダンパーは、ほとんどかけてない事が多いです。なのでセッティングは、最弱からスタートして接地感が出てきたとライダーが感じるまで強めていきます。しかし強めすぎるとギャップの吸収性能が下がるので、そのあたりのバランスを見ていきます。

とことんこだわるなら圧側のセッティングが終われば、プリロード伸び側減衰の微調整をもう一度します。理由は2つあり圧側減衰が強まる事により、ストローク量が減る場合がありプリロードを弱める事が、できます。(注ストローク量に変化がでない場合もある)圧側減衰が強まる事により、単純にふわふわ感を消す為にかけていた分の伸び側減衰の減衰力を弱める事ができます。

最後にストリートはサーキットと違いタイムを競う場じゃないので、気持ちいいは正義です。なのでつらつらと書きましたが、理論より好みで決めちゃうのが正解だと思います。

サーキットのセッティング

リアサスペンション 圧側減衰 サーキット

サーキットでのセッティングでは、前述した接地感などに加えてコーナリング時の前後の荷重バランスを考えてのセッティングになります。圧側減衰力を強める事によりバンク初期にリア上がりの姿勢の時間を多く稼ぐことができます。例としてブレーキングを重要視して、リアが低くなったけどコーナリング時1次旋回は、高さが欲しいって場合に圧減衰をかけてやると、コーナーリング初期の高さがでてキャスター角が立ちハンドルが切れ込みやすくなります。他にも色々とありますが、基本はプリロード調整車高調整が先である事をおさえておきましょう。

リアサス 圧側ダンパー 高速低速 2系統

それでも理想のセッティングにたどり着けず満足出来ない方は、ハイエンドな高級サスペンションには、高速と低速で別々でセッティングできる2wey機構を装備してるサスペンションがあります。詳細は別記事に書いてます。これでダメならフレームなど他に原因がある事が考えれます。

 

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