紹介するオーリンズ『HO-345』ですが、2名乗車時の乗り心地に特化した設計で、スポーツ走行は不得意です。
1名乗車時の全ての性能でYSSやギアーズ に負けてますので、タンデムを頻繁にしない方は、この先を読む価値がありません(笑)
国内正規品ではADV160車種専用のオーリンズは、ラインナップされてませんが、タイの方では旧型のADV150のサスを流用して装着している人が多く装着は可能です。基本的にはスクーターのサスペンションはエンドアイの形と長さが合えば、ボルトONで装着できます。ADV160とADV150は、車重も取り付け位置もさほど変わらないで、そのまま付けても100%性能を発揮します。
無加工で装着可能な証拠として、タイでは同じ品番のサスが160用で売ってます(笑)。
画像はタイのカタログ写真なんですが、車体にオーリンズを装着してません(笑)。せめて車種専用で開発した感を出す為に、装着写真くらいは、使おうぜってなりますよね。
話を戻して品番が『HO-345』なので、日本の150用の正規輸入品と確実に同じ物です。
オーリンズ OHLINS リアショック S36PR1 ADV150 HO345 JP店
『スペック』
さて純正リアサス と比較しながらスペックの話でもしましょう。
・長さ: 397.5mm
・ストローク: 121.5mm
・バネレート13N/8N(ダブルレート)
長さは、純正(390mm)より少し長いので、誤差の範囲で尻上がりになります。乗車時はバネの柔らかさで、ノーマルと同じ姿勢になります。
ストロークは、純正(100mm)に対して21mmも増えます。121mmのストローク量は、ADV160に装着できるリアサスの中で最大です。
バネレートは、実用ストローク部分が、13N/mm(純正17N/mm)なので、純正より乗り心地は、良くなりますが、YSSは8N/mmなので、もっといいです。
オーリンズは、高級サスペンションらしくリザーブタンクのガス室はフリーピストンでくぎられてます。ガス室に高圧ガスを注入する事により、オイルに気泡が出るのを抑えて減衰を安定させる効果があります。
低圧の安いリアサスは、こんな感じでオイルの中の空気が負圧で膨らんで、オリフィスを通る時の減衰力が安定しません。
純正リザーブタンクはブラダー式と言いまして、ゴム風船でガズ圧をかけてます。
一般的にフリーピストン式の方がメンテナンスサイクルが長いとされてますが、それはベストコンディションの時間が長いってだけで、1万5千Kmを超えたあたりで、ブラダー式の方が劣化が少ないです。バイクメーカー純正リアサスがブラダー式を採用するのは、ほぼ9割のライダーがリアサスのオーバーホールを2万キロ毎なんかにしませんからね(笑)
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『筆者は、基本的にオーリンズをオススメしない』
『高額=高性能ってわけじゃない』
内容が重複しますが、耐久性と一人乗りの快適性を重視するならYSSのリアサスの方が優れていますし、スポーツ性能の向上を狙うならギアーズのリアサスの方が優れています。適材適所ですね。オーリンズは2人乗りに合わせてバネを設定しています。
『盗難リスクが高い』
何より盗難リスクが跳ね上がります。
『メンテナンスサイクルが早い』
有名な話ですが、オーリンズのリアサスは摩擦抵抗を減らすために、オイルシールが弱いので、走る環境次第で1万kmと持たずに、オイル漏れをする事が多々あります。ぶっちゃけ 公道用パーツとしてそれはどうよ?って思います。
オーリンズサスペンションの王様です。ドレスアップ目的でこれに適うサスペンションは、ないでしょう。
『セッティングについて』
最後にセッティングについて少し書こうと思います。
『プリロード調整』