『ADV160厳選カスタムパーツに戻る』
ADV160の社外サスペンションは、色々なメーカーが出していますが、『スポーツ走行性能』と『街乗りの快適性』を70点くらいで両立しながら、『2人乗り』も同じセッティングで問題なく走行できるのは、YSSの『ADV150用』のリアサスです。150用ってのがポイントですぞ٩( ᐛ )و
ってわけで、サスペンションを交換したので、偉そうにサスペンションのインプレとかセッティングの話なんかをします。

最初にADV160の乗り心地の悪さの原因は、純正リアサスの異常に硬いバネレートにあります。なので単純にバネレートの低いサスペンションに変えれば、そのぶん乗り心地が良くなります。

そしてバネを柔らかくするのが目的なら、160用のサスより150用のサスの方が、柔らかいバネが付いていますので、そちらを使った方が目的に合ってます。ちなみにYSSのリアサスのバネの柔らかさは、純正サスの半分くらいです。それでも走行に問題が出ないので純正サスがいかに硬いかがわかりますね。

サスペンションのテストは、西日本最大の走り屋スポット『龍神スカイライン』でしました。駐車場でバネ交換をするのは、なかなか恥ずかしかったです。
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『YSSのリアサスのインプレッション』

『乗り心地について』
細かいギャップの振動はかなり減りますが、大きなギャップを通過する時の突き上げは、それほど改善されません。このあたりがスイングアームにエンジンがついてる、スクーターの限界ってところですね。
『足つき』
サスペンションの自由長が短くなるのと、バネの沈み込み量が増えることで、トータル20mmくらいシート高が低くなり足付きは微妙に良くなります。しかし低身長で根本的な足つき改善を望むなら、ローダウンサスペンションに変えるか、牛乳を飲んだほうが良いですよ。
『コーナリング性能』
純正リアサスより減衰力が圧側も伸側も強くなるので安定感が増します。リアサスが短くなった影響でフロントフォークのキャスター角が寝て、バンク角のわりに曲がらないバイクになります。しかしトラクションのかかりが良いので、深いバンク角でも安定するので、バイクに乗れてる感が強く出て、気持ちいいフィーリングになります。
(このリア下がりという車体姿勢は、速さを追求するセッティングとしては、完全に間違えた方向性です)
僕は公道では絶対的な速さより、速く走ってるとライダーが錯覚してしまうようなマシンが好きで、YSSのサスペンションは、そういった意味では100点です。
フィーリングより絶対的な速さを求めるならギアーズサスペンションの方が、優れています。
『サスペンションの質感』
外観は、オーリンズとかナイトロンとかに引けを取らない質感なんですが、YSSのブランドイメージが、どうしても安物の印象があるので、ドヤれはしないです(笑)。しかしバイクを知らない人が見れば、オーリンズとYSSの違いなんてわかりません。ブランドとはそういうもんですよね。
『サスペンションの取り付け』

リアサス交換はカウルの脱着は不必要です。メガネレンチが入ります。トルクレンチは入らないので、手締めです。(注・走行後の増し締めで確認)
サス上のネジ穴はカウルの裏側にあり差し込みにくいため慣れが必要です。
それにしても、HONDAはYAMAHAに比べて整備性が劣るように感じますね。

純正サスペンションは、鬼トルクで締まってました。ボルトがナメるんじゃないかってぐらいパワーをかけないと回りませんでしたww
『セッティング(初心者向けの内容)』

初心者向けなので結論を中心にまとめました。取り付けはバイク屋さんに依頼されると思うので、この記事を見せれば理解してもらいやすいはずです。
スプリング選び

箱を開けるとスプリングが2セット入ってます。スプリングには数字が刻印されており、硬さを表しています。
『46-8-30-280』と書いてある方が、標準スプリングで、体重が軽い人向け。
『46-12-35-280』と書いてある方がハードスプリングで、体重が重たい人向けです。
70kg以下の人は標準スプリングを使いましょう。
70kg以上の人は強化スプリングを使いましょう。
ソフトスプリングでタンデム(2人乗り)は可能です。(理由:サスが70mm以上縮むと残り40mmストローク部が硬くなるため)なので安心して2人乗りできます。
プリロード

プリロードは、バネが不安的にならない程度で5mmほどかけるのが目安です。過剰にかけると乗り心地が悪化します。
減衰力

マイナスドライバーが必要です。時計回りに回すと強く、反時計回りに回すと弱くなります、最弱でも十分な減衰力が出ているので、まずは最弱設定で試してみるとよいでしょう。

ちなみに右のサスペンションは、ブレーキホースのステーを外さないとマイナスドライバーが差し込めず不便ですが、頻繁に触る箇所ではないのでヨシッ!!
『セッティング(中級者向けの内容)』

ここからは中級者向けですが、『バイクのサスペンション調整入門』の記事を読むと、初心者でも内容が理解できるようになると思うよ。
バネレート比較

純正ショウワサスのスプリング
11N-17N-37N
YSS標準ソフトスプリング
8N-30N
YSS付属強化スプリング
12N-35N
いったんこのような比較になります。
YSSのバネには、レートの数字がプリントされているよ٩( ᐛ )و

純正リアサスはトリプルレートスプリングで、11Nの部分が柔らかそうですが、その部分はライダーが座っただけで使いきってしまい、実際は17Nの部分がライダー乗車時に使われる領域になります。更に17Nの部分のストロークが短すぎる為に、段差通過時には直ぐにストロークを使いきってしまい。37Nの領域に入ります。結果凄まじい突き上げが発生します。
純正サスペンションが万人ウケを狙いすぎた結果、誰にも完全に合わない仕様になってしまうという話は、よく聞く話です。小柄な人が乗ってもデブが乗っても乗車1Gの理想値になり、さらに極端なデブが二人乗りしても、底付きもしないようにしようとした結果です。

一方YSSのスプリングは、ダブルレートスプリングで構成されていて、1名乗車時用の柔らかいバネの部分のストローク量が多く設定されていて、緊急のタンデム走行用に30Nの硬い物が付いてます。1名乗車時は8Nの部分しか使わないので、乗り心地が非常に良いです。
スポーツ走行も良好で、ストローク量が80mmくらいまでならシングルレートのようなスポーティーな動きです。

ストローク量も純正より10mmほど多い110mmです。
タンデムでの快適性を重要視するなら、オーリンズサスペンションの方が、いい感じですよ。
プリロードセッティング

基本的にはプリロードは、スプリングを固定するのに5mmくらいかけるのがベストです。それ以上かけてもデメリットしかありません。反発力不足は、スプリング変更で対応します。一般的なサスペンション調整で、よく言われてるサグだし(1Gストローク)とかの話は、基本的にシングルレートでの話で、YSS付属のスプリングには当てはまりませんよ。
さてでは、何を基準にソフトスプリングと強化スプリングを選別すれば良いか説明しますと、ソフトスプリングで一人乗りで街乗り走行をして、70mm以上ストロークしているなら、ハードバネに変更した方が乗り心地もトラクション安定性も良くなります。
『ソフトスプリングのストローク量のデータ』

体重56kgの筆者が、乘った時のYSSリアサスのストローク量です。
『1Gストローク』
沈み込み量/40mm
残り/70mm/
『常識的な公道走行(高速道路含む)』
沈み込み量/70mmくらい
残り/40mm
『ワイディング(軽く流す程度)』
沈み込み量/90mm
残り/20mm
って感じです。
ミニサーキットなどで、ガッツリ走れば、フルストロークしてしまいます。
『2人乗りについて』
一人乗りの公道走行の残ストロークが、40mm残っています。その残り40mmの領域はダブルレートスプリングの硬い部分なので、まだ150kg以上の負荷に耐えれます。なのでまず底付きする事はないでしょう。
減衰調整について

調整機能は、伸び減衰だけのシンプルな構成です。基本的には最弱で十分な減衰力を発揮しています。なので経年劣化でサスペンションが抜けてきた時に回す物だと僕は考えています。
ちなみに圧側ダンパーは、調整できませんがほどよいセッティングですよ。
『上級者向けに内容』

ワンオフでスプリングを作ったよ。
サスペンションの良し悪しの9割は、バネで決まると言われてます。なので究極のフィーリングを求めるなら、自分の体重に合わせて、ワンオフでシングルレートでスプリングを作るのが基本です♪
参考程度にデータを載せておきますね。

『参考データ』
レート・10N/mm
ライダーの体重・56kg
プリロード・5mm
乗車1G/35mm
街乗り/60mm
という結果です。
2人乗りは、残ストローク的にパッセンジャーが軽い人なら大丈夫です。
『筆者情報』

名前:スコ太
年齢:おじさん
仕事:よくいる会社員
住所:大阪(枚方市)
バイク趣味は、ツーリングからスクーターレースまで、幅広く楽しんでます。なのでスポーツ走行から、快適装備やツーリングスポットの話までできます。なんなら通勤もバイクなので、バイクに乗らない日はありません(笑)。SNS(X)もしてるので、是非フォローやコメントをよろしくお願いします。



