ADV160のサスペンション交換を検討されている方に向けて、色々と話を書いていきます。本記事を読む前に『サスペンションのセッティングについてのウンチク記事』を読んでおくと、内容がより面白く感じれると思うので、よろしくお願いします。
純正リアサスのデータ

社外サスペンションに変える前に、純正サスペンションがどのような物なのか知っておいた方が、リアサス選びの参考になると思うので、データを載せておきます。
『両ネジ穴間の長さ・390mm』
とても長いです。
『ストローク量・100mm』
原2クラスのスクーターのリアサスのストロークは、短い物だと50mmくらいで、70mmも有れば多いと言われてる中で、ADV160は脅威の100mmのサスストロークがあります。頼もしいですな。
『バネレート・11N-17N-37N』
発展途上国のバイクらしく3人乗りでも余裕で耐えられる仕様です(笑)
トリプルレートスプリングのバネで異常に硬いバネが付いていまして、乗り心地を悪くしている原因は17Nと37Nの部分です。唯一柔らかい11Nのストローク部分は、ライダーが乗車しただけで完全に使い切ってしまい、17Nの部分も段差等のギャップを通過するとフルストロークしてしまい、最後の37Nで残りの衝撃を吸収することになります。参考程度ですが1名乗車のみを考えた場合、10Nもあれば充分に荷重を支えられます。
『減衰特性(調整機能は無し)』
伸び側減衰は必要最低限の減衰が効いていて、圧側減衰はほぼゼロって感じです。と言えば悪そうに聞こえますが、乗り心地を追求するなら悪くない設定なのと、ガバガバなオリフィスだとオイルの劣化も少なく耐久性も高くなります。
『リザーバータンクは飾り』

SHOWAのステッカーがデカデカと主張しているリザーバータンクですが、中身はゴム風船が入っているブラダー式です。
フリーピストン式のリアサスほど、経年劣化でガスとオイルが混ざり難いので、耐久性が最優先の純正品としては、合理的だと思います。
(純正リアサスは下手をすると新車から1度もメンテナンスを受けずに、廃車まで使われ続ける可能性があるので、メーカーはそうせざるお得ないですよねww)
『おすすめ・社外リアサス4選』

ADV160の社外サスペンションのオススメは4種類ありまして、それぞれ特徴がありバイクの使用目的に合わせてチョイスすると、より自分にフィットしたADV160になりますよ。
YSS TG302(ADV150用)

『YSSリアサスの詳細記事』
乗り心地重視な人向けです。スポーツ性能も峠のファンライドレベルに使うには、品質過剰なくらいなので迷ったらYSSでいいです。
『150用』ってのが最重要です。詳しくは詳細記事を読んでね
乗り心地・・⭐️⭐️⭐️
スポーツ・・⭐️⭐️
2人乗り・・⭐️⭐️
ギアーズレーシング

『ギアーズ リアサスの詳細記事』
スポーツ走行に1番、向いているのがギアーズです。減衰量は圧側伸側装備で車高調整も可能です。スクーターレース定番の11N/mmのシングルレートのバネを最初から装備しています。またメーカーの説明では『2人乗り可』となっていますが、正直かなり微妙です。
乗り心地・・⭐️⭐️
スポーツ・・⭐️⭐️⭐️
2人乗り・・⭐️
オーリンズ

『オーリンズ リアサス詳細記事』
頻繁に2人乗りをする方にオススメなのが、オーリンズのリアサスです。タンデマーに優しいリアサスですね。バイカーなら誰もが知ってる高額サスペンションなので、自慢できます(笑)オーリンズは超高性能なローフリクションを謳っていますが、スイングアームにエンジンが付いてるスクーターだと重量による慣性力の方が支配的なので、ほぼ意味が無いんですけどね。
乗り心地・・⭐️⭐️
スポーツ・・⭐️
2人乗り・・⭐️⭐️⭐️
ローダウンセット

『ローダウンセット詳細記事』
足付きを良くしたい方におすすめなのが、エンデュランス製品のローダウンセットです。リアサス ・フォークスプリング・サイドスタンドのセットで値段も安くお得です。意外と乗り心地もそれほど悪くないですよ。
乗り心地・・⭐️⭐️
スポーツ・・⭐️
2人乗り・・⭐️⭐️
リアサスペンションの動きが良くなるマフラー

『ヤマモトレーシングのマフラー詳細記事』
流石にマフラー交換で、リアサスペンションの動きが良くなるって聞いても、意味不明って思うので説明します。いや説明させてください!!
ADV160に限らずスクーターは、構造的にスイングアームにエンジンが付いていて、そのエンジンには当然マフラーも付いています。つまりマフラーの軽量化はスイングアームの軽量化になるって事です。スイングアームが軽くなると、慣性が小さくなりリアサスの動きが良くなります٩( ‘ω’ )و
もちろんスイングアームは、軽ければ軽いほど良いって物でもないんですが、ADV160のスイングアームにはエンジン(約30㎏)がついていて、スイングアームとしては疑う余地もないくらいの重量オーバーなので、マフラーの軽量化は100%メリットしかないですww。
ちなみにヤマモトマフラーは2.3kgで、純正マフラー5.7kgです。3.4kgの軽量化はめちゃくちゃ効きますよ。
おすすめしないリアサスペンション

これを書くと滅茶苦茶メーカーから嫌われるんですけど。素人の感想ってことで許してください。また無名の中華サスペンションは、全てNGなのは、読者の皆様もすでに認知していると思うので、割愛します。
KN企画

価格が4万円くらいで安価ですが、高いクオリティーです。しかし最大の問題は通常ルートでのオーバーホールのアフターサービスがありません。よって使い捨てサスペンションです。まぁ価格が安いので、試しにちょっとくらいならいいかもですが、これを買うくらいなら筆者は少し頑張ってYSSのサスペンションを選びますね。
プロフェンダー

プロフェンダーは聞きなれないブランドだと思いますが、タイのメーカーです。スポーツ走行向けのサスペンションで性能自体は問題ないのですが、こちらも通常ルートでのオーバーホールのアフターサービスがありません。価格も10万円もします。この価格帯のサスペンションで使い捨ては、流石にどうかと思います。また同価格帯に同じスポーツ寄りで高品質なギアーズサスペンションがあり、ギアーズはメーカーがオーバーホールに対応してくれます。そうなればプロフェンダーに存在意義はありませんよね。なのでプロフェンダーのリアサスペンションを1mmもおススメしません。
純正フロントフォークについて

最後に純正フロントフォークの話をします。
ADV160のフロントフォークは、純正でも適度に柔らかく、乗り心地とスポーツ性能のバランスが絶妙に良いので、社外品に交換する必要性を感じません。油面調整とシムによるプリロード調整で十分です。
『実効ストローク量は、120mm』
機械的には130mmストロークしますが、オイルロックで120mm以上は走行時に沈みません。しかし十分すぎるストローク量ですね。
『バネレートは、6N-7N-10N』
バネレートはかなり柔らかめで、56㎏の僕でも乗っただけで(乗車1G)40mmほど沈みます。これは潤沢なリバウンドストロークですね。伸びきり付近に反発力を感じませんので、好みでプリロードを10mmくらいかけるのは、アリだと思うよ。
『油面の規定値は、60mm』
ノーマルの油面は、ちょい高めなスポーツよりなセッティングです。乗り心地重視なら油面を70mmくらいまで下げても問題は発生しませんよ(注:ツーリングタイヤなら)。逆に油面を上げるのはメリットはないので、やめておいたほうが良いです。
『減衰力は強め』
ちょっと動きが硬い印象なので、オイル粘度を変えるなら低くする方向性ですね。
『筆者情報』

名前:スコ太
年齢:おじさん
仕事:よくいる会社員
住所:大阪(枚方市)
バイク趣味は、ツーリングからスクーターレースまで、幅広く楽しんでます。なのでスポーツ走行から、快適装備やツーリングスポットの話までできます。なんなら通勤もバイクなので、バイクに乗らない日はありません(笑)。SNS(X)もしてるので、是非フォローやコメントをよろしくお願いします。



