『ドクタープーリーに戻る』
スクーターのプーリーボスの長さをシムで調整して加速力を向上させる改造の解説です。
ちなみにそのシムの名前は、ボスワッシャーとかスペーサーシムとか色々な呼ばれ方をされてますが、同じ部品です。

解説を読む前にスクーターの駆動系の構造の図面で各パーツの名称です。
『加速が良くなる仕組み』

ボスワッシャーの有りと無しの比較断面図です。エンジン側プーリーの断面図ですが、ワッシャーを追加することでVベルトが内側に落ちているのがわかりますね。相対的にドリブンフェイスは広がるので見た目以上に効果は抜群です。これがボスワッシャー追加による変速比のローギア化の仕組みで、トルクアップの秘密です。
デメリットはローギアー化の影響で最高速はおちます。
『ボスワッシャーってどうやって選べばよい?』

プーリーボスの内径と外径のサイズを測り同じサイズのシムを準備します。国内メーカのスクーターなら測定をしなくとも、『車種名 ボスワッシャー』等のワードでGoogle検索すれば、車種用のボスワッシャーが出てきます。
厚みは微調整用に1.0mmと0.5mmと0.3mmの物がラインナップされていることが多いです。
『取り付け方』

写真の見た目のまんま(笑)プーリーボスの上にワッシャーを入れて、後はそのまま組み立てるだけです。国内メーカーのスクーターなら0.5mmの追加ならトラブルの心配はありません。それ以上だと問題が発生する事がありますので、よく構造を理解してから調整しましょう。
『失敗例』

ボスワッシャーの追加はバイクメーカーの想定範囲外の事です。シム調整はメーカー設計の安全マージンを削る行為ですので、ほどほどにしないとこうなりますww
Vベルトとボスが接触している。

Vベルトとボスが少し触れてしまう程度なら大丈夫ですが、『圧着』してるレベルならアウトです。ここまでボスワッシャーを追加すると、発進時に猛烈な勢いでVベルトが滑りVベルトが爆散しますww
確認は非常に難しいですが気をつけましょう。
Vベルトが、はみ出している

組みつけ後エンジンをかけて軽くアイドリングをしてベルトを馴染ませた後に、ドリブンフェイスからVベルトがはみ出しているようなら危険です。
4スト50ccのスクーターはやめとけ🆖

4スト50ccスクーターについてはエンジン出力が低いので、ノーマル状態でも限界付近の攻めたセッティングになってます。車種によれば短いプーリーボスを入れた方が、バランスよく速くなるほど純正は発進重視です。
また最高速も60km丁度にレブリミッターで止まるように設計されているので、ボスワッシャーを追加すれば最高速が落ちます。
とはいえ原付の法定速度は30kmなので、ボスワッシャー0.5mmを1枚だけ入れてシグナルグランプリで優勝を狙うのもありかと(笑)
『筆者情報』

名前:スコ太
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バイク趣味は、ツーリングからスクーターレースまで、幅広く楽しんでます。なのでスポーツ走行から、快適装備やツーリングスポットの話までできます。なんなら通勤もバイクなので、バイクに乗らない日はありません(笑)。SNS(X)もしてるので、是非フォローやコメントをよろしくお願いします。


