『ドクタープーリーに戻る』
スクーターと言えばライダー側でクラッチ操作が不要ってのは周知されてますが、ではその構造はどうなってんのと疑問に思いますよね。ってことで本日は、スクーターのクラッチである遠心クラッチについて解説します。
『遠心クラッチの自動構造の仕組み』

遠心力でクラッチシューが広がりクラッチアウター(ハウジング)に駆動力を伝える構造になってます。アイドリング時の低い回転では、遠心力が足りずクラッチシューがスプリングの力に負けてクラッチアウター(ハウジング)と離れて駆動力を伝達を切る。
逆にエンジンの回転数が一定以上に上がればクラッチシューがクラッチアウターに押し付けられて駆動力を次の工程に伝達します。わかってしまえば原始的で単純ですね。
『クラッチの改造について解説』

クラッチの改造は、ウエイトローラの変更と同じくらい効果が体感できる改造ってことで、改造ファンの間では人気の改造になってます。
クラッチのセッティング

強化スプリングや軽量クラッチシューを使うと発進時のクラッチが繋がるタイミングを変更できます。
『クラッチスプリングを変更すると』
硬いスプリングを使うと高回転でクラッチが繋がり。反対に柔らかくすれば低回転で、クラッチが繋がります
『クラッチシューを変更すると』
軽いクラッチシューに交換するとクラッチが高回転で繋がります。逆に重たいクラッチシューに交換するとクラッチが低回転で繋がります。注意点としてクラッチシューはフライホイールの役割も兼ねているので、あまりに軽量な物に変更するとトルク感が無くなります。逆に重過ぎる物を使うと遠心力が強すぎてクラッチアウターが変形します。
先にクラッチスプリングの変更をして、それでも回転数が足りない場合はクラッチシューを変更するのがセオリーです。
『クラッチを社外品に交換するメリット』

前述したとおりクラッチミートのタイミングはクラッチスプリングで変更できます。では社外クラッチに意味はあるのか?って話になるのですが、そんなの・・・・
カッコいいからさッ!!
だけではないので、そのあたりの話をします。
クラッチミートのフィーリングが変化します。
フィーリングの話なので完全フルノーマルの車体でも体感出来るほどの差があります。ノーマルクラッチは安全性と乗り心地を良くするため、摩擦力の弱い部材を使い緩やかにクラッチミートされます。それに対し多くの社外品クラッチは摩擦力の高い部材を使っていることが多く、クラッチミートが強力になり、ガツンと駆動力が繋がるフィーリングになります。
クラッチアッセンブリの総重量について
フライホイール効果で走行フィーリングが変わります。重たくなれば速度変化が減りトルクフルな乗り味になります。軽くなればレスポンス向上でレーシー雰囲気になります。
注意:速さを求める場合は、軽ければ良いというものではなく適正な重さがあります。
軽量クラッチシューが必要な車体
リミッターカット等で10%以上最高回転数を上げた車体は、軽量クラッチシューの導入するとクラッチシューがアウターを押さえる力が、適正になってアウターの変形リスクが低減します。
ボアアップ車両などの大幅にパワーを上げた車両は必須。
大幅にエンジンパワーを上げた車体だとクラッチが滑り駆動ロスが発生するので、クラッチ交換のメリットを最大限発揮します。
またビッグパワーになればそれだけクラッチが熱を持つのですが、社外クラッチは放熱性がよくなるように色々と工夫がされていることが多いです。
『クラッチアウター(ハウジング)が変形すると、どんな症状がでる?』

アウターの新円が崩れて変形してるので、凸の部分でクラッチシューが引っ掛かって急激にトルクが伝わるようになります。ミッション車で例えると急にクラッチを離した様な感触です。こうなれば乗り心地だけじゃ無くファイナルギアやVベルトに多大な負荷がかかり、それらの部品の寿命を大幅に縮めますので即交換です。
ちなみにノーマル車両でも過激なストップ&ゴーを繰り返せば変形します。
『筆者情報』

名前:スコ太
年齢:おじさん
仕事:よくいる会社員
住所:大阪(枚方市)
バイク趣味は、ツーリングからスクーターレースまで、幅広く楽しんでます。なのでスポーツ走行から、快適装備やツーリングスポットの話までできます。なんなら通勤もバイクなので、バイクに乗らない日はありません(笑)。SNS(X)もしてるので、是非フォローやコメントをよろしくお願いします。
 
  
  
  
  

