ハイスピードプーリーのデメリット🛵

Dr.Pulley(ドクタープーリー)

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スクーター改造パーツの定番であるハイスピードプーリーですが、実は「最高速」と「スタートダッシュ」以外は全ての性能が落ちるって話をします。

『ハイスピードプーリーデメリットまとめ』



部品消耗が激しい

基本的にハイスピードプーリーは、変速幅を広くする為、フェイス面の角度を立たせている物がほとんどです。

15度で設計されたVベルトに14度のフェイスを付けるわけですから、互いのパーツの接触面積が減り、摩擦と発熱で猛烈に消耗していくのは容易に想像ができますね。

ハイスピードプーリーで5000km走行後のVベルトの写真です。もういつ切れてもおかしくないです。

中間加速が遅い

フェイス面の角度の変更で駆動ロスがノーマルプーリーより多くなり中間加速が悪くなります。エンジンパワーが足りない場合、最高速も落ちます。本末転倒である。

再加速のレスポンスが悪い

ローラーガイドがワイドで緩やかになった分シフトダウンがスムーズに行われず再加速のレスポンスが落ちます。

これを解決する為にセンタースプリングを強化をすると、駆動ロスが増えます。

何故、ハイスピードプーリーはデメリットが多いのにフェイス面の角度が立っているのか?

図4のようにプーリーとドライブフェイスが接触すれば、Vベルトを外に押し出せなくなり、それ以上変速ができない為。これをフェイスタッチと呼びます。

ハイスピードプーリーのデメリットのほとんどは、フェイス面が立っている事が原因である事がおおいですね。

『ハイスピードプーリーで性能が上がる車体は?』

2ストロークエンジン

2ストロークエンジンは、極端にパワーバンドが狭いので変速幅を増やす事で、パワーバンドで走れる範囲が広がります。特に高速域の伸びに貢献します。しかし低中速域は性能ダウンします。

余談ですが

ハイスピードプーリーは、大昔に2ストエンジンの改造パーツで人気がありました。その時にスクーター改造文化に定着した歴史があります。

現在の4ストエンジンには、ハイスピードプーリーはデメリットの方が多くミスマッチと言わざるを得ないのですが、過去のスクーター改造文化の名残りで今でも人気パーツとして愛好家が多いです。

フルチューンエンジン

排気量を上げたりカム形状の改造など、大幅なエンジン改良を行った場合は、それに合わせたプーリーを付けると良い結果が出る場合があります。

吸排気程度の改造ならハイスピードプーリーよりドクタープーリーの方が確実に良い結果が出ますよ。

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