トルクカムは、駆動系の後輪側についてるプーリーの事で、ドリブルフェイスとかを含めて、まとめてそう呼ばれる事があります。
厳密には、掘ってある溝の部分のみを指す言葉ですが、アッセンブリーの事で使われる事が、ほとんどですので、筆者もその様に呼んでます。
『トルクカムの役割』
トルクカムは、エンジン側のプーリーと二人三脚で機能します。メインの仕事は、下記の2つです。
Vベルトの長さの帳尻合わせ
トルクカムの役割は、フロントプーリーが、高速域に進むのに開くと逆にトルクカムが閉じる事で、Vベルトの長さの帳尻を合わせる役目があります。
もしトルクカムが完全に固定されていれば、変速と同時にVベルトが引きちぎられます(笑)
減速した時にギアダウン
センタースプリングの反発力を利用してハイギアになったギアを、再びローギアに戻すのもトルクカムの役割です。もしセンタースプリングがなければ、一度加速すれば2度とローギアに戻る事は、ありません(笑)
80年代以後のトルクカムには、ガイドの溝が斜めに彫っていて、ねじれながら開いたり閉じたりします。斜めになってる理由は、次項で😗
『トルクカムの溝の角度』
トルクカムの機能の一つで、坂道などで走行負荷がかかった時のフェイス同士が捻れる事によりシフトダウンしてローギアに自動で変速してパワーのある回転数にしてくれます。もし90度一直線の溝であった場合は、一度アクセルを緩めて減速するまで、シフトダウンは、発生しません。
溝の角度は、単純にキツければキツい程、効果がありますが、45度が限界です。
カム溝の角度が色々ある理由
45度カム一択で全部解決かと言えばそうでもなく、キツい角度のカム溝は、駆動ロスが増えます。低速域では、メリットの方が大きいですが、高速域だとセンタースプリングのバネが最大まで縮んで強力反発力が発生しています。負荷が増えて最高速も落ちます。
トルクカムの抵抗は、センタースプリングの反発力とトルクカム の溝角度の合力が抵抗になります。
2つの理由により45度一直線カムは、高速域のロスが大きいので、非力なノーマル車には、デメリットが多いです。
純正トルクカムは、万能
一直線トルクカムのデメリットを解決すべく純正のトルクカムは、溝が『くの字』になっていて、高速域での負荷を減らしています。
ちなみに写真は、ホンダ車のもので急激に角度が変わってます。
ヤマハ車の物は、曲線的にカム溝が彫られています。走行フィーリングの良さは、間違いなくヤマハのカムの方が、ナチュラルで良いでしょう。
『基本的には、純正で十分』
前述した通り純正のトルクカムは、かなり良く出来ているのでノーマル車に社外品のトルクカムを入れてもトータルバランスでは、悪くなります。また走行フィーリングもウエイトローラー交換の様な体感できる程の差は出ません。具体的な数字で言うとアクセル全開加速のエンジン回転数が、500回転くらい変わったり、パワーが不足して、ふけ切らない車体だと最高速が5kmくらい増減する程度なので費用対効果を考えると社外品に交換するメリットは、ないです。しかしサーキット走行などで0.1秒を追求する場面では、効果があります。その僅かな差を楽しむのが改造の醍醐味ですね。
社外トルクカムは、いいぞぉ
社外品のトルクカムは、好みのカム 溝の形を選べるようになってます。多い物で3種類のカム溝を選べて好み走行フィーリングにできます。もしトルクカムのセッティングをしてみたいって方は、社外品カムは、なかなかオススメですよ。しかしトルクカムのセッティングは、前の項目で述べた通りかなり微妙な差しか出ませんのでタコメーターとGPSロガーを見ながら微妙な数字の変化を楽しみましょう。
では、検討を祈る😗