『ドクタープーリーに戻る』
本日は、スクーターのドリブンプーリーとトルクカムの話をします。
『ドリブンプーリーの役割』
ドリブンプーリーはエンジン側のプーリー(ドライブプーリー)と二人三脚で機能します。メインの仕事は、下記の2つです。
Vベルトの長さの帳尻合わせ
ドライブプーリーが開きドリブンプーリーが閉じる事でVベルトの長さの帳尻を合わせてます。これは見た目のまんまなので説明不要ですね。
もしドリブンプーリーが完全に固定されていれば、変速と同時にVベルトが引きちぎられます(笑)
減速した時にギアダウン
センタースプリングの反発力を利用してハイギアになったギアを、再びローギアに戻すのもドリブンプーリーの役割です。もしドリブンプーリーにスプリングが付いてなければ、一度加速すれば2度とローギアに戻る事はありません(笑)
『トルクカムについて』
トルク
ドリブンプーリーには、トルクカムという機構が付いてます。
このカムの機能の一つで坂道などで走行負荷がかかった時に、フェイス同士が捻れる事により自動でローギアにシフトダウンして適切な回転数にしてくれます。もし90度一直線のカム溝しかなければ一度アクセルを緩めて減速するまで、シフトダウンは発生しません。
カム溝の角度は45度が限界で、基本的に角度は寝かせれば寝かせるほど、シフトダウンの効果が得られます。
カム溝の角度が色々ある理由
では45度カム一択で全部解決かと言えばそうでもなく、キツい角度のカム溝は駆動ロスが増えます。特に最高速付近は顕著で駆動ロスの影響で遅くなります。
純正トルクカムは、万能
45度一直線トルクカムのデメリットを解決すべく純正のトルクカムは、溝が『くの字』になっていて、高速域での負荷を減らしています。ちなみに写真はホンダ車のもので急激に角度が変わってます。
ヤマハ車は曲線的にカム溝が彫られています。走行フィーリングの良さは間違いなくヤマハの方が、ナチュラルで良いでしょう。
世間のイメージと違いYAMAHAの方が細部まで徹底的に拘った製品作りをしてるのが感じ取れます。
『トルクカムは基本的に純正で十分』
前述した通り純正のトルクカムは、かなり良く出来ているのでノーマル車に社外品のトルクカムを入れてもトータルバランスでは悪くなります。また走行フィーリングもウエイトローラー交換の様な体感できる程の差は出ません。具体的な数字で言うとアクセル全開加速のエンジン回転数が、500回転くらい変わったり、パワーが不足してふけ切らない車体だと最高速が5kmくらい増減する程度なので費用対効果を考えると社外品に交換するメリットはないです。まぁその僅かな差を楽しむのも改造の醍醐味ですね。
サーキット走行などで0.1秒を追求する場面では効果があります。
社外トルクカムは、いいぞぉ
社外品のトルクカムは1つのトルクカムに複数のカム溝が彫られてるものが多く、セッティングを楽しむのに最適です。僕のおすすめは精度がよく故障率低い社KITACO製品です。
『筆者情報』
名前:スコ太
年齢:おじさん
仕事:よくいる会社員
住所:大阪(枚方市)
バイク趣味は、ツーリングからスクーターレースまで、幅広く楽しんでます。なのでスポーツ走行から、快適装備やツーリングスポットの話までできます。なんなら通勤もバイクなので、バイクに乗らない日はありません(笑)。SNS(X)もしてるので、是非フォローやコメントをよろしくお願いします。