ADV160のマフラーを、社外品への改造を検討してる人へ向けて、参考になるよう僭越ながら素人の筆者が色々と話をします。
『質感』については、写真では伝わり切れない部分を、筆者の感想という形でお伝えします。
(批判的な内容が入ることをご了承願います)
『性能』については、可能な限りメーカー公表のシャシダイ(走行測定器)のグラフを記載します。
(注:ダイナモ測定のデータは、最大パワーの数字は測定器ごとの誤差が酷いので、何の指標にもなりません。しかしパワーの出る速度域や回転数は、かなり正確にわかります。)
『おすすめマフラーは?』
デザインや音は、主観が入るので何とも言えませんが、性能と溶接の美しさなどの絶対的な評価を重視して、順位付けするならこんな評価です。
1位・ヤマモトレーシング
全回転域でパワーアップのバランス型
2位・SP武川
低回転域のパワーアップでスタートダッシュ型
3位・ヨシムラ
高回転のパワーアップで最高速型
4位・NOVI
16000円で激安マフラーで財布の中身がパワーアップ
『社外マフラーのパワーアップに、過剰な期待は禁物』
最初にマフラーメーカーに怒られそうな事を書きますが、ADV160は低燃費性能を重視した、燃料の薄い希薄燃焼エンジンなので、あまりに高効率なマフラーを付けると、ノッキングが発生してエンジンブローのリスクがあります。その事を各マフラーメーカーも十分把握してるので、基本的に純正の寸法から大きく変更した高効率なマフラーは作れないと言うのが現状です。
ECUを変更するかサブコンを入れることで、噴射する燃料の量を増やし、それに合わせたマフラーを制作する事ができれば、さらなるパワーアップを望めるのですが・・・
ADV160のそれらの製品は、今のところどこも販売してませんので、やはりマフラーメーカーは、保守的な設計のマフラーしか作れません・・・
その昔、2010年頃まではKITACO、SP武川、エンデュランスなどのアフターメーカーが、マフラーと同時に、それに合わせたサブコンを販売していまして、高効率マフラーも沢山あったのですが・・・
サブコンの取り付けの難しさや、燃料マップの設定の難しさなどから、初心者には取り扱えるわけもなく、ほとんど売れなくて、どのメーカーからも販売から撤退しました。
それでも何故マフラーを変えると、パワーが上がるかを解説
燃料噴射量を増やさないと、パワーが上がらない理由は、前文で理解できたかと思います。しかしそうなると純正ECUだと駄目じゃないか?
っと思うかもしれませんが・・・
そうでもなく、純正ECUは空燃比を常時測定して、自動で燃料噴射量を補正してくれるようになってます。その自動補正範囲の限界までは、マフラーによる高効率化が可能ってわけです。
つまりマフラーメーカーは、その自動補正の範囲内の限界を狙い、マフラーを開発してるってわけです。
当然ですが、まともなマフラーメーカーなら空燃比測定をして、燃料が薄くなりすぎないように、安全マージンをとってるので、安心してマフラー交換ができますよ。
『まともなメーカーとは?』
やや印象論や感情論的ですが、基準としては「JMCAの認定プレート」か「それに準ずる公的な認証プレート」を取ってるメーカーですね。2010年4月以後は、それらの認証をとってない改造マフラーで公道を走ると違反になります。違反になるような物を消費者に売ってるメーカーが、まともなものを作れるとは、筆者は思えないです。根拠としては薄いですが(笑)
『純正マフラー』静粛性能は、間違いなく1番だよ!!
・重量/5.7kg
・音量/82.0dB
・推奨ウエイトローラー/15g(STD19g)
純正マフラーは、多段膨張型(バッフルチャンバー)です。実はこれって社外マフラーによくあるストレートサイレンサーより部品点数が多く、製造コストがかかってます。技術的にアフターメーカーで、この多段膨張型のマフラーを、作れるところは少ないです。
何かと馬鹿にされがちな純正マフラーですが、資金力が桁違いなバイクメーカーが、優秀な人材をかき集めて、ADV160用に莫大なコストをかけて、完全専用設計で開発されたマフラー。それが純正マフラーです。トータルバランスは間違いなく1番高いです。デメリットは重たい事とサビやすい事だけです。
ちなみにノーマルマフラーでもウエイトローラーの重さを変えると、劇的に加速が鋭くなり、エンジンサウンドがヤル気のある音になりますよ。
『ヤマモトレーシング』全域パワーアップで性能ナンバーワン!!値段もナンバーワン!!
『ヤマモトマフラー詳細記事』
・重量/3.7kg
・音量/87.0dB
・推奨ウエイトローラー/13g
・センタースタンド/干渉なし
・オイル交換/ドレン・フィルター干渉なし
・JMCA認証プレート/有
「ADV160の社外マフラーで、1番高性能なマフラーはどれですか?」と聞かれれば、ヤマモトレーシングのツインマフラーと筆者は答えます。完全に別格と言える内容になってます。
最大の特徴の2本出しサイレンサーは、とても重そうに見えますが、高級チタンの採用で他社製品と同等の重さです。
シャシダイ測定の結果ですが、全域でパワーが上乗せされているので、性能については誰も文句がつけれませんね。
ノーマルECUで可能な性能は、全て限り引き出している感じがします。
排気音は乾いた高音よりのストイックな感じのレーシングサウンド。しかし音量は87dBと静かで、他社製品よりワンランク静粛性能も高いです。(社外マフラーは、だいたい89dBやで)
最大の弱点は、価格が高いって事でしょうか(笑)
バイクパーツ マフラーヤマモトレーシング SEPC-A TWIN ADV160 8BK-KF5410160-72SSA 4521717009590
『SP武川ハイパースポーツマフラー』低回転トルク最強!!ノーマルにポン付けでも性能を発揮します。
『武川マフラー詳細記事』
・重量/??kg
・音量/89.0dB
・推奨ウエイトローラー/15g
・センタースタンド/干渉なし
・オイル交換/ドレン・フィルター干渉なし
・JMCA認証プレート/有
スペシャルパーツ武川は、ホンダの小排気量に強いアフターパーツメーカーです。1972年設立の老舗で信頼できるメーカーの一つです。
小排気量専門のアフターパーツメーカーって正直粗悪品が多いのですが、筆者の経験ではSP武川で粗悪品を掴まされた事はないです。なので安心して購入できますよ。
・
そんな武川のマフラーですが、低回転でのパワー重視の設計です。特に発進に重点をおいてるのが、グラフからも読み取れますね。ヤマモトレーシングのマフラーでも此処までの発進加速は出せてませんので、これはハイパースポーツマフラーのアイデンティティですね。またシャシダイ測定のグラフには表れない、少ないスロットル開度でもパワーが出ているのも特徴です。
やはりスクーターは、ストップアンドゴーが多いので、低回転が力強いのは気持ちいいですよ。
サウンドは、低音重視で純正とは明らかに違うとわかる音質です。
音量の測定データ上は、89.0dBと大きそうに思えますが、実際はかなり静かです。
その理由は、低音の音は物理的に空気の揺れが大きくなり、測定器では大きく数字が出るからです。
ハイパースポーツマフラーは、人が煩くて嫌悪感を感じる中音域と高音域はカットされているので、大人が装着しても恥ずかしくない仕上がりですよ。
SP武川 SPタケガワ ハイパースポーツマフラー/ADV160 8BK-KF54(KF54-1000001-) ADV160 HONDA ホンダ フルエキゾーストマフラー マフラー
『ヨシムラマフラー』いわゆる高回転型マフラーです。
『ヨシムラマフラー詳細記事』
・重量/3.7kg
・音量/89.0dB
・推奨ウエイトローラー/12g
・センタースタンド/干渉なし
・オイル交換/ドレン・フィルター干渉なし
・JMCA認証プレート/有
いわずと知れたヨシムラマフラーです。
高回転型マフラーは、公道では意味がないと言われがちですが、我らのADV160は、高速道路でレッドゾーン付近まで余裕で回すので恩恵を受けますよぞww
最高速はリミッターによりノーマルと変わりませんが、明らかに80kmからの加速がよくなります。
音の好みは個人の主観なんで、こんな表現はしたくないんですが
『ヨシムラマフラーは、音がイイ』
本当の意味で低いヘルツ帯の低音がでていて、それが力強さを感じさせます。(動物は、低音の音に大きさや力強さを本能で感じるんやで)
それでいてストレートサイレンサーらしい高い排気圧力を感じさせる音は、レーシングサウンドそのものですね。
ヨシムラマフラー最大のリスクですが、あまりにも音がよいので、装着すると動画の外人さんのようになります。彼らはスズ菌との合併症で「ヨシムラシティ」とか言うありもしない都市の名前を連呼するほどに、脳が侵食されているのがわかりますね。
『ADV160用のヨシムラマフラーは、種類が多いので、購入は詳細ページに、まとめておいたよ』
『NOVIマフラー』激安で音だけ変えたい人に最適です。
『詳細説明は、別サイトにあるのでそちらをどうぞ』
・重量/??kg
・音量/??dB
・推奨ウエイトローラー/16g
・センタースタンド/干渉なし
・オイル交換/ドレン・フィルター干渉なし
・JMCA認証プレート/無
16000円の激安マフラーですが、品質は問題ないです。安いので初めてのカスタムマフラーの経験には、いいんじゃないでしょうか?
動画だと爆音マフラーな印象ですが、現実で聞くとかなり静かなマフラーですよ。そして当たり前のようにJMCAの認定を取ってないので、公道走行は違反になりますが、警察に止められる事はまずないでしょう。性能は筆者の印象ですと、ノーマルと何も変わらなかったです。
Nobi ノビ Bold NX Black フルエキゾーストマフラー ADV 160 HONDA ホンダ マフラー
『ベリアルサービス』整備性が抜群によいですよ。
『ベリアルマフラー詳細記事』
・重量/3.1kg
・音量/87dB
・推奨ウエイトローラー/14g
・センタースタンド/干渉なし
・オイル交換/ドレン・フィルター干渉なし
・JMCA認証プレート/有
ベリアルサービスと言うメーカーは、あまり多くの人に認知されていないと思いますが、80~90年代の、スクーターレース最盛期の頃に無敵のような強さを誇ったメーカーです。
スプリングジョイントの4分割構造は、レースメーカーらしい素晴らしい配慮で、コストがかかってます。
分割構造のメリットは、赤丸部部の中間パイプからマフラーを外す事が可能にになるので、タイヤ交換の時に、O2センサーの取り外しが不要で非常に楽です。サイレンサーのみで外せるので、ウール交換も楽ちんです。基本メンテナンスの作業時間が、大幅に短縮されます。またエンジンオーバーホール以外の用途でマニホールドを外す事がなくなるので、ガスケット交換は、基本的に不要になります。
残念ポイントですが、エキパイの寸法が明らかに手抜きで、テーパ形状を採用してない事や、公式にシャシダイデータが発表されていないことを考えても性能は、ノーマルと変わらない事は、容易に想像がつきますね。ベリアル的には、体感できない僅かな性能アップの為に、数万円もコストを上げる意味を感じてないんでしょう。否定してるように思われるかもしれませんが、筆者もそう思います。
レーシーな見た目とは裏腹に、静かな乾いた排気音でノーマルマフラーに近いです。
『SP忠男』性能よりフィーリング重視です。
『SP忠男マフラー詳細記事』
・重量/3.6kg
・排気音量/86dB
・推奨ウエイトローラー/19g
・センタースタンド/干渉なし
・オイル交換/ドレン・フィルター干渉なし
・JMCA認証プレート/有
スクーターカスタムマフラーで一世を風靡トグロ巻マフラーです。こちらのマフラーは、駆動系などの改造をいっさいしていない、ノーマル車両で性能を発揮するコンセプトで、設計されたマフラーでして、絶対的な馬力より中低速のトルクを重視してます。通勤やツーリングなどで、ゆっくり走ってる時に感じられる豊かなトルク感は、走りをワンランク上の質感の引き上げてくれますよ。アクセル全開時の高回転の伸びやパワーは、ベリアルサービスに劣りますが、少ないアクセル開度のトルク感はSP忠男の方が高いです。この特性はストリートで常識的な走り方をするぶんには、まるでボアアップしたかのような、フィーリングで、とても1番気持ちいいです。
公式SP忠男ブログで、マフラーの開発記録が紹介されていて、試行錯誤の様子が伝わります。少し高価なマフラーすが、開発ストーリーも含めた値段だと納得ですね。
『SP忠男が公式のシャシダイ測定のデータを公開しない理由』
SP忠男はレース専用などのサーキット走行を想定したマフラーについては、シャシダイデータを公開しますが、ストリートマフラーについては未公開です。その理由は、絶対的なパワーよりもフィーリングを大切にしているからです。そもそもシャシダイのデータなんて、アクセル全開だけのデータだから正直それほど重要じゃないですよ。
SP TADAO SP忠男マフラー ADV160(8BK-KF54)PURESPORT “S” チタンブルー ADV-GE-24
SP TADAO SP忠男マフラー ADV160(8BK-KF54)PURESPORT “S” ステンレス ADV-GE-23
『筆者情報』
名前:スコ太
年齢:おじさん
仕事:よくいる会社員
住所:大阪(枚方市)
バイク趣味は、ツーリングからスクーターレースまで、幅広く楽しんでます。なのでスポーツ走行から、快適装備やツーリングスポットの話までできます。なんなら通勤もバイクなので、バイクに乗らない日はありません(笑)。SNS(X)もしてるので、是非フォローやコメントをよろしくお願いします。